1月16日 10:00~11:30
テーマ「一隅を照らす~歴史からのメッセージ」
占部先生の話では漆黒の中でひとすみを照らすろうそくの灯りもそれを引き継ぎ分ける相手がいることで暗がりの洞窟も明るく照らし出されるとの意味を込めている。
一話:日本とポーランドの結びつき
1675年日本は徳川幕府第10代将軍の頃、ポーランドは隣国からの侵攻により国土を奪われた。爾来若者たちは祖国を取り戻すために独立運動に立ち上がるが、彼らは多く捕らえられ極寒の地シベリアに流刑となった。100年以上が経って第1次世界大戦の終了とともに独立の絶好の機会が訪れるが、ロシアに代わって新しく出現したソ連の厳しい弾圧に遭いシベリアの地で難民となり親を亡くした孤児が多数出た。この時、他の国からの救助を得られなかったポーランドは、日本を頼った。日本赤十字社を中心に孤児救出に乗りだし765名に及ぶ飢餓や凍傷で苦しむ孤児たちを救い一人の死者も出なかった。日本とポーランドの間にはこのような博愛の物語が残されている。阪神淡路大震災、東日本大震災の時にポーランドから暖かい援助が送られたわけが、ここに由来している。
二話:荘川桜移植に挑んだ男たち
昭和35年岐阜県大野郡荘川村で御母衣ダムの建設をめぐって地元住民と建設会社との間の抗争が起きた。交渉は難航の末に集結を見ましたが、建設会社代表は、故郷を失う住民のために村のシンボルともされた2本のアズマヒガン(桜)を救おうとするが、樹齢400年の老木の移植はまずは絶対無理との周囲の判断。それでも万難を排し、移植に成功し、今では毎年5月上旬には満開の花をつけている。
絶対にあきらめないという気持ちは持ち続けたいと思う。
占部教授が荘川桜を訪ねられての和歌
「一隅を照らす」の意味するところをこの二話から感じ取りたいと思いましたが、教室生にも十分伝わったようで中には思わず涙腺が緩む方も見受けられました。
2月さわやか教室 2月20日(木)
講 師:矢野 寛治さん
テーマ:名作にみる「日本のお母さん」